今までの病院は病気を治すところでした。病気を治して退院させる。それが病院の役割でした。しかし、現在は病気や怪我だけでなく、心理的な問題や社会的な問題、精神的な問題を抱えている患者が増えており、このような患者の治療はスムーズに進むことが少なく、治療が終わってもうまく退院させることができないのです。そのため、患者の多様な問題に対処する目的で「チーム医療」が必要になってきたのです。
「チーム医療」は、患者の多種多様な悩みや不安に対して、医療に従事する側も多職種の専門家が関わって情報を共有し、チームとして連携を図りながら協力することで、多面的なケアを行うことができるからです。現在の医療は、医師と看護師だけでは困難になっています。チーム医療の導入により、患者のさまざまな問題に対して効率的に対処する必要があるのです。チーム医療の導入により多角的な面から患者の問題に取り組めることも利点の1つです。
・栄養サポートチーム
入院中の患者で栄養不良の人を調べ、その理由と原因を調べます。まず、栄養素やエネルギーが足りているのかを調べ、必要な栄養を含んだ食事内容に変えます。次に、食べる動作や能力について考えます。どんな病気であっても、栄養管理を怠ると、治療の効果が得られず、合併症の頻度が増えたりします。栄養状態が悪いと、床ずれができてしまったり、誤飲による肺炎になったりもします。
・褥瘡対策チーム
「床ずれ(褥瘡)」ができてしまった患者に対して、床ずれができてしまった理由やどうすれば改善するのかなどについてサポートをします。栄養面の問題が原因としてある場合は、栄養サポートチームに含まれることもあります。褥瘡の治療、体位交換の頻度や姿勢、食事の摂取状況や栄養状態の確認や修正など、褥瘡の治癒や再発を予防するためのケアを行います。
・呼吸リハビリテーションチーム
「肺疾患」の患者やその家族に対し、自宅で快適な日常生活が送れるように、社会復帰ができるようにサポートします。呼吸練習や日常生活の指導、栄養サポート、服薬指導、必要に応じて在宅酸素装置の導入や使用方法の指導など、さまざまな面から継続的に係わり、患者の自宅退院を支援するのです。
・緩和ケアチーム
「ガン」の患者が、その人らしく過ごせるようにさまざまな視点からサポートします。痛みを緩和する薬の使用方法や処置、日常生活の環境を整える工夫をしたり、心理的な支援などを行います。